2012年9月5日 | 税理士ブログ
【節税】中小企業退職金共済に加入して節税をしよう!
こんにちは。
今回は、中小企業退職金共済制度、いわゆる中退共を使って
節税をする方法をご紹介します。以下Q&A形式でお答えしていきます。
Q:中退共とは、どのような制度ですか?
A:中退共とは、中小企業基盤整備機構が運営している退職金制度で、
中小企業が退職金共済契約を結び掛金を負担すれば、
従業員が退職した際に、機構から退職金を直接支給する制度です。
事業主は、従業員の掛け金を決め、毎月を納めるだけで済みますので、
余分な事務作業を共済に任せることができます。
また、手数料や運用リスクによる追加出費が発生しないことも安心です。
Q:どのような人が加入できるのですか?
A:加入に際しては、原則として全従業員の加入が必要です。
パートタイマーの方についても、加入することができます。
ただし、法人の役員は加入することができません。
Q:どのような節税になるのですか?
A:掛金が全額会社の経費として計上できるため、掛金分が節税できます。
また、退職一時金を受け取る従業員にとっても、
退職一時金は退職所得になる為、
退職所得控除によりほとんど所得税がかからない点も大きなメリットです。
Q:掛金はいくらから、どのくらいの金額を決めれば良いのでしょうか?
A:月額掛金は、5,000円~10,000円までは1,000円単位で、
10,000円~30,000円までは2,000円単位で、
自由に設定することができます。
月額の掛金の決め方は様々ありますが、
賃金や勤続年数をいくつかのグループに分ける方法や
役職を基準にした方法などが考えられます。
また、退職金の目安をあらかじめ決めておき、
そこから掛金を逆算する方法も一つの方法です。
Q:退職金の金額はどのようにして決まるのですか?
A:退職した従業員の請求に基づき、
機構から退職金が直接従業員に支払われます。
退職金額は基本退職金と付加退職金から構成されており、
加入期間中に納付した掛金と納付月数に応じて、
一定の利回りにより金額が決定されます。
Q:そのほか、中退共にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
A:月額掛金の一部について以下の助成金を受けることができます。
<新規加入助成>
掛金月額の2分の1(従業員ごと上限5,000円)を
加入後4ヶ月目から1年間、国が助成してくれます。
<月額変更助成>
掛金月額が18,000円以下の従業員の掛金を増額した場合は、
増額分の3分の1を増額月から1年間、国が助成してくれます。
Q:家族を従業員としていますが、その場合でも加入できますか?
A:奥様をはじめ、ご家族を従業員とされている中小企業の場合も、
この有利な制度を活用することができます。
配偶者の給与が年間103万円以下で、所得税の年税額が0円という方の場合、
給与の他に、配偶者を対象にした中退共の掛金を毎月3万円支払っておくと、
年間で36万円の経費を増やすことができます。
Q:どのようなことに気をつける必要があるでしょうか?
A-1:2年以内の短期間で退職する従業員の掛金に関しては、
掛金を下回る給付しか受け取ることができません。
特に、1年以内であれば全額が掛け捨てとなってしまいます。
対策として、勤続年数の短い期間の掛金を低く設定するなどして、
リスクを軽減することができます。
A-2:ほとんどの企業は、会社都合退職よりも自己都合退職のときの方が
退職金の支払額が少額になるように設定をしています。
しかし、中退共は掛金を拠出した段階で、権利が従業員に移る為、
たとえ従業員が自己都合退職をしても、
会社都合退職の方と退職金の金額に差をつけることができません。
以上のように、中退共は従業員への福利厚生を充実させながら、
節税効果も期待できますので、一度、検討してみてはいかがでしょうか。