2012年6月6日 | 税理士ブログ

【節税】法人税額が還付される?

2008年9月のリーマンショック以降の世界の経済は急速に悪化し、
100年に一度の大不況といわれています。

これに伴い、2008年度末から業績悪化が顕著になってきています。

昨年度の決算では、業績が順調に推移し黒字であった企業が、
今年度は赤字になっている会社も出始めています。

そのような場合に、活用できる『欠損金の繰戻し還付』
という制度をご存じでしょうか?

通常、会社が赤字になった場合の特例として、
その赤字を翌期以降7年間の黒字と相殺が可能となる、
青色欠損金の繰越控除があります。

これはよく知られている制度ですね。

設立後5年以内の会社(※)は、赤字になった場合に、
翌期以降に繰り越すのではなく、前期の黒字と相殺して、
前期の法人税を還付してもらうことが可能となっています。

これを、欠損金の繰戻し還付といいます。

なお、この欠損金の繰戻し還付は次の要件を満たしている場合に適用されます。

(1) 前事業年度(前期)および欠損事業年度(当期)
ともに青色申告書を提出していること
(2) 欠損事業年度の確定申告書を期限内に提出していること
(3) (2)の申告書と同時に欠損金の繰り戻しによる還付請求書を提出していること

欠損金(赤字)を生じた事業年度とは、その分お金が出て行っているはずです。
つまり、資金繰りが悪化していて、追加運転資金の調達が必要な状態になって
いる可能性が高いといえます。

このとき直ちに税の還付を通じて、中小企業の資金支援をおこなう
欠損金の繰戻し還付制度は、中小企業の育成の観点からも
適時性・即効性があり、望ましいものと言えますね。

※2009年度税制改正により、設立後5年以内の会社だけではなく、
中小法人等(※1)については、平成21年2月決算から、この繰戻し還付
を適用することが可能となりました。

(※1)中小法人等
(1)資本金の額等又は出資金の額が1億円以下である普通法人
(2)資本又は出資を有しない普通法人 (3)一般社団法人等
(4)人格のない社団等(5)一定の協同組合等 (6)公益法人等
(7)特定医療法人

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